浅田次郎『終わらざる夏』(上・下2巻) [読書]
8月15日、日本がポツダム宣言受諾、無条件降伏。
8月18日、ソ連軍の一部が千島列島の占守島を攻撃、日本軍と戦闘状態に。
政治の都合が現場の人々の命を奪っていく。
そういう政治を少なくとも日本はこれからもう二度と生み出してはいけない。
昭文社『都市地図 福島県 相馬・南相馬市 新地町』を読む [読書]
被災地に入ってのお手伝いに備えて、
震災後、昭文社から3月23日に緊急出版された
相馬・南相馬市、新地町の都市地図を読んでいる。
(地図の内容は震災前のもの)
写真や動画は被災地の生々しい姿を伝えてくるが、
地図で地形、地名、各種施設の配置、つながり等見ていると、
報道が伝えてくるものとはまた違った形で
被災地の方々のこれまでの生活が
静かに伝わってくる気がする。
(参考)
東日本大震災への対応 〜首相官邸災害対策ページ〜
支援状況マップ(東日本大震災支援全国ネットワーク)
東日本大震災 被災地支援サイト(昭文社)
東北地方太平洋沿岸部の地図・緊急出版(2011年3月23日 昭文社)
マキァヴェッリ 『ディスコルシ ー「ローマ史」論』 [読書]
なぜこんな分厚い難しそうな本を
買ってしまったかというと、
震災、原発事故、計画停電・・・
という混乱のどさくさかというほかない。
マキァヴェッリというと『君主論』、
冷徹な功利主義者という印象をこれまで持っていたが、
もっと人間っぽいひとなんだなと思いながら、
ギリシャ・ローマ時代から15世紀の南ヨーロッパの歴史の
様々なエピソードを引いての政治論を楽しむことが出来た。
例えば、以下のような言葉は今の日本にぴったりだと思う。
「弱体な国家が持つ一番悪い傾向は、決断力に乏しいということだ。」
「臨時独裁執政官の権力はローマ共和国に恩恵を施しこそすれ
弊害を伴うものではなかった。
国家にとって有害なのは一部の市民に強奪された権利であり、
自由な投票によって与えられた権力ではない。」
「運命が何を企んでいるかわからないし、
どこをどう通り抜けてきて、どこに顔を出すものか、
皆目見当もつきかねる以上、いつどんな幸福が
どんなところから飛び込んでくるかという希望を持ち続けて、
どんな運命にみまわれても、またどんな苦境に追い込まれても
投げやりになってはならないのである。」
西炯子 『おとこ(女偏に男)の一生(いっしょう)」(1)〜(3)(3刊完結) [読書]
浅田次郎 『月のしずく』 [読書]
小泉武夫 『絶倫食』 [読書]
ヤマザキマリ 『テルマエ・ロマエ』 [読書]
北方謙三 『楊家将(上・下)』 [読書]
米窪明美 『島津家の戦争』 [読書]
米窪明美さんの『島津家の戦争』読了。
島津家は島津家でも都城島津家の
関ヶ原から第二次世界大戦までの戦いの歴史を
一気に読ませる作品。
この本を読んで、宮崎出身者の先輩が
「宮崎県の中でも都城は特殊なお国柄と習った」
と仰った意味が良く分かった。
イモしかできないような貧しい火山灰質の土地が多い
島津家全体の版図のなかでは珍しい稲作地帯を抱え、
しかも独自に開発した私田をそれぞれが持つ。
主君への忠義といった精神主義的な武士道が主流となった江戸時代にも
「一所懸命」という中世武士道の精神を保ち続けた島津家最強の軍団は、
元家臣達の必死の努力で西南戦争の戦火を直接浴びず、
第二次世界大戦での空襲、その後の農地解放などの試練を経て、
私有地は大幅に削られても今なお都城島津家は都城に土地を保ち、
この地の経営に心を砕いている。
守るべきものが明確になっている人々は強い。