石原慎太郎 『新・堕落論 我欲と天罰』 [読書]
今回の災害が日本を震撼させた時、
私はその印象について問われ、
これは「天罰」ではなかろうかと発言し、
一部の人々の誤解と顰蹙を買いましたが・・・(以下略)。
確かにあの時は
「政治リーダーがこの非常時に評論家みたいなことを!」
と大いに反発した。
今になってどういうことを言うのだろうと
書店で手に取った本。
内容は、期待以上だった。
氏は、「日本人という民族の本質的な悪しき変化」として、
「アメリカという間接的な支配者の元に甘んじ培われてきた
安易な他力本願が培養した平和の毒ともいえる、
いたずらな繁栄に隠された日本民族の無気力化による衰退、
価値観の堕落」を掲げ、
この震災の惨状を国民の一人一人が
これからの自らの人生の中の事柄としてしっかり受け止め、
堕落の克服と復興をともに成し遂げるべきと主張する。
その論理の課程や帰結には個人的に首をかしげるところもなくはないが、
氏の率直な物言い、そして過酷な現実を受け止め、
自分の頭で考えよという強いメッセージに大いに自省させられた。
今日は防災の日。
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